練習を見守る鈴木優磨

2025年5月27日。鹿島アントラーズの練習を見に行った。

この日は、マリノス戦に出場した選手たち(以下「主力組」とする)は軽いボール回しのみで練習を切り上げた。時間で言えば10時半からトレーニングが始まって11時頃に切り上げた。

11時からはマリノスに出場しなかったメンバー(以下「控え組」とする)を中心に12時までトレーニングを続けた。

主力組は各々クールダウンをしたり、切り上げたり、ファンサービスをしていた。

そんな中、鈴木優磨はグラウンドの片隅で一人、リカバリーのケアをしながら控え組のトレーニングを眺めていた。溝口修平がゲーム形式で素晴らしいシュートを決めれば、鈴木優磨は一人でキャッキャと歓声を挙げていた。

思えば鈴木優磨はいつもそうだ。

例えば練習試合でユースの選手ばかりになった4本目のゲームなどでも、鈴木優磨はいつも最後まで見ている。他の選手が切り上げた後でも、ピッチで誰かがプレーしている限りは切り上げずにいつも見ている。(自主練は除く)

そんな鈴木優磨を見ながら、様々なことを考えた。

「なぜ鈴木優磨は控え組やユースの選手のプレーをいつも真剣に見ているのか。」と。

きっと鹿島アントラーズが好きだから、みたいな事もあるだろう。

きっとサッカーそのものが好きだから、みたいな事もあるだろう。

もしかしたら彼なりの礼儀や流儀なだけなのかもしれない。

ただ私はそれ以上に、彼はいつも「情報」を集めているように見える。

「味方のプレーを理解する」という事はサッカーにおいて、かなり重要な要素になる。かなり重要な要素ではあるが、多くの選手はそこにリソースを割かなかったりする。他人のプレーはコントロールできないし、自分のプレーにフォーカスを当てるのが第一優先になるのは当然だからだ。

でも鈴木優磨は味方のプレーへの理解を常に重視している。いや、正確には味方だけでなく相手の特徴の理解も重視している。

プロの世界では、いつ誰とピッチの上でプレーするかなど分からない。

ユースにいる高校生とプレーするかもしれないし、昨日合流したばかりの外国人選手とプレーするかもしれない。

そんな時に、もしかしたら今日の「情報」が鈴木優磨の味方をしてくれるかもしれない。

つまり彼にとって「情報」とは「準備」なのだと思う。情報はひとつだって多いに越したことはない。

いつもキャッキャと煽るように味方のプレーを見ているようで、彼はいつも大切な瞬間に向けた準備をしているのだろうと思った。

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