久しぶりに鹿島のブログを書く。
2025年、鬼木さん率いる鹿島は開幕から4試合が経過した。
3勝1敗。まずまずの出だしと言える。いや、鬼木さんが取り組んでいる事はかなり基礎的な技術トレーニングが多かった事を考慮すると、3勝1敗という数字は鬼木鹿島にとってかなり良い船出といえるだろう。
私は鬼木さんの鹿島は結果が出るまでもう少し時間がかかると思っていた。「トレーニング内容も考慮すると春先くらいから調子を上げるくらいが妥当な線なのかな」と内心では思っていた。
しかし蓋を開けるとホーム3連勝。サポーターも今年の鹿島には大きな期待感を持っている事だろう。
誰が監督でも鹿島は鹿島
鬼木さんの鹿島。みなさんはどう見ているだろうか。
私は率直な感想では「結局めちゃくちゃ鹿島っぽいチームだな」と思っている。
やや乱暴な表現にはなるが、鬼木さんだろうがポポさんだろうがレネさんだろうが、結局鹿島は鹿島なのだ。
これは決してネガティブな意味で書いているわけではない。皮肉っているわけではない。むしろ良いことだと思っている。
鹿島アントラーズというクラブのゲームでは、いつの時代もある程度同じ精神性を感じられる。(戦術のディテールはもちろん監督によって異なる)
その精神性とは苛烈さであったり、激しさであったり、勝利への執着であったり、相手に圧力をかけ続ける姿勢であったり。ここはいつの時代も結局は大きくは変わらない。
今年の鬼木鹿島も鹿島だった。特にカシマスタジアムでは鹿島は鹿島だ。
「クラブのスタイルは誰が定めるのか」
それは監督やFDだと思っていたが、この精神性はカシマスタジアムのサポーターが作り出してるものだ、と最近は思うようになった。
このスタジアムは常に求めている。緻密さよりも狡猾さを。美しさよりも苛烈さを。
カシマスタジアムが醸し出す独特の空気感が、ぬるいプレーは許さない。
鬼木さんの特徴
「誰が監督でも鹿島は鹿島」と書いてしまうとやや乱暴だ。乱暴だと思いながら敢えてこの言葉をチョイスした。
では監督の鬼木さんの真価はどこにあるのか、という点も重要になる。
正直、鬼木さんの真価はまだ表面上にしか見えていない。
ここまでの鹿島の好調さは、鬼木さんが掲げるアグレッシブさと選手の特性がマッチしたという部分もあるが、補強による選手層の厚さや選手のクオリティによるものが大きいと思っている。
鬼木さんが今までの特徴に加えて植え付けようとしている技術的なレベルの高さは、ピッチの中では垣間見える程度にとどまっている。
今の鹿島は「守破離」でいう所の「守」が出来ているに過ぎない。ここは何か大きなトラブルが無い限り揺るがないだろう。
今までの鹿島が大切にしてきた精神性、アグレッシブさ、カシマスタジアムの空気感こそが「守」なのだ。
一方で「守」だけでは優勝できていない。それは鬼木さんもたびたび指摘している。
私は鬼木さんが取り組んでいる「破」や「離」こそが、鬼木さんの真価になるだろうと思っている。優勝に向けて大事になるだろうとも思っている。
では鬼木さんの「破」とはどのようなものか。
それは「技術に自信を持たせてあげる事」だと思っている。おそらくそれが、アグレッシブさだけではどうにもならない夏場に効いてくる。
技術的な自信は時間を生む。時間の余裕は精神的な余裕を生む。
1戦1戦目の前に戦いに一喜一憂しながら、鬼木さんの鹿島が変化していく姿も楽しみに見届けたい。